一からコード進行を作ってみよう
- 2018.03.24
- ジャズギター基礎知識編
- コード進行の作り方
ジャズギター基礎知識編第14回目はコード進行の作り方を解説します。
これまでコードの機能だったり、ケーデンス等を学習しましたので、
インプットだけで終わらず、アウトプットとして
実際に自分でコード進行を一から作る手順方法をレッスンしていきます。
前回学習したケーデンスとセットでコード進行を作れるようになると
スタンダードのコード進行の分析が楽しくなると思います。
また、コード進行を実際に一から作ることにより
不安定なコードでトニックコードに進みたくなるなみたいな
感覚を実際に体感することができます。
では、実際にどうやってコード同士を連結して
コード進行を作るのかみていきましょう。
キーCメジャーの場合で考えていきましょう。
まずCメジャーの四和音ダイアトニックコードを用意しましょう。
ⅠM7 | Ⅱm7 | Ⅲm7 | ⅣM7 | Ⅴ7 | Ⅵm7 | Ⅶm7(♭5) |
---|---|---|---|---|---|---|
CM7 | Dm7 | Em7 | FM7 | G7 | Am7 | Bm7(♭5) |
そして3つの機能にグループ分けします。
さらに各機能の特徴を思い出しましょう。
トニックコード | サブドミナントコード | ドミナントコード |
---|---|---|
CM7,Em7,Am7 | FM7,Dm7 | G7,Bm7(♭5) |
安定 | 補助、少し不安定 | 不安定 |
では、これらの材料でコード進行を組み立てていきましょう。
まず、1小節目は始まりですので安定のトニックコードCM7コードを使用しましょう。
1小節目 |
---|
安定 |
CM7 |
2小節目は最初が安定でしたので少し不安定なサブドミナントコードFM7コードにして
コードに動きを出してみましょう。
1小節目 | 2小節目 |
---|---|
安定 | 少し不安定 |
CM7 | FM7 |
3小節目は安定→少し不安定と進んできましたので
さらに不安定のG7コードにしてよりコードに動きを出してみましょう。
1小節目 | 2小節目 | 3小節目 |
---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 |
CM7 | FM7 | G7 |
4小節目は3小節目を弾いた時点で一旦トニックコードに落ち着きたいなと
コード感から感じましたのでトニックコードに解決してみましょう。
このドミナントコードからトニックコードに進むコード進行を
ドミナントモーションといいました。
ドミナントコードG7を弾いた後にトニックコードCM7コードを
弾いて解決した感覚は感じましたでしょうか?
また、2小節目~4小節目は前回の基本のケーデンスのレッスンで
学んだ3つ目のケーデンスパターンでもあります。
「サブドミナント(S)→ドミナント(D)→トニック(T)」
というケーデンスパターンです。
1小節目 | 2小節目 | 3小節目 | 4小節目 |
---|---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 | 安定 |
CM7 | FM7 | G7 | CM7 |
それでは、次にこのコード進行を基本として、
コードの機能同士でコードを交換して代理コードの使い方を習得しましょう。
まず2小節目のサブドミナントコードの代理Dm7コードに置き換えてみましょう。
2小節目からツーファイブワンというジャズで必須のコード進行になりました。
1小節目 | 2小節目置き換え | 3小節目 | 4小節目 |
---|---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 | 安定 |
CM7 | Dm7 | G7 | CM7 |
次に最後の4小節目をトニックコードの代理に置き換えてみましょう。
トニックコードの代理はEm7コードとAm7コードでした。
今回はAm7コードを選択してみましょう。
すると
これを偽終止といいます。
※もちろん代理コードのEm7でも偽終止になります。
1小節目 | 2小節目置き換え | 3小節目 | 4小節目置き換え |
---|---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 | 安定 |
CM7 | Dm7 | G7 | Am7 |
偽終止とは
今回の例ですとツーファイブと進行してきたコード進行のあとは
普通トニックコードに解決するだろうとリスナーさんは期待しますが
そこを裏切る形で敢えてトニックコードの代理に終止することから
名前の通り偽終止といいます。
また、偽終止の特徴は本家のトニックコードより安定感がないことから
曲の最後締めで使われず(曲が終わった感覚を得られないため)
次にコードが続きます。
ということでそのまま5小節目を作っていきましょう。
5小節目は今まで1小節を機能ごとにコードを繋げてきましたので
ここでは4小節目のコードと同じ機能(安定)のEm7コードにしましょう。
1小節目 | 2小節目置き換え | 3小節目 | 4小節目置き換え | 5小節目 |
---|---|---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 | 安定 | 安定 |
CM7 | Dm7 | G7 | Am7 | Em7 |
6小節目は安定→安定ときましたので少し不安定な要素が欲しいのと
記事レッスンが長くなってきましたので
ここではケーデンスのパターンを使って一気に8小節のコード進行を作ります。
最後にまとめたと捉えてくださいね。
ケーデンスのパターンは先程出てきた
少し不安定(S)→不安定(D)→安定(T)を代理を使わずそのまま当てはめます。
1小節目 | 2小節目置き換え | 3小節目 | 4小節目置き換え | 5小節目 | 6小節目~8小節目 |
---|---|---|---|---|---|
安定 | 少し不安定 | 不安定 | 安定 | 安定 | ケーデンス |
CM7 | Dm7 | G7 | Am7 | Em7 | FM7→G7→CM7 |
コード進行を一から作る方法を解説してきましたが
いかがでしたでしょうか?
最低限の音楽理論の知識さえあれば意外にこんなにも
簡単にコード進行を作れると少しでも実感していただけたら嬉しいです。
もちろん最初からこのようにコード進行を一から作ると
完璧を目指す必要はありません。
音楽理論がこうやって使われて
コード進行を作ることができるんだくらいの感覚で大丈夫です。
コード進行の意識の大切さについて
ついでにですが
日頃の練習からコード進行を少しでも意識していると
コード感が自然と身につくようになります。
このコード感が身につくとコード進行をリハーモナイズしたり、
アドリブでソロを弾くときにバックで鳴ってるコードを
見失うということが無くなりますので
是非、今演奏しているコードはドミナントコードを弾いているとか
今のうちから少しずつコード進行を意識しながら
練習してみてください。