ジャズブルースをコードアルペジオのコールアンドレスポンスとターゲットノートを使ったアドリブソロを一から作る

一からコード進行を作ってみよう

一からコード進行を作ってみよう

ジャズギター基礎知識編第14回目はコード進行の作り方を解説します。
これまでコードの機能だったり、ケーデンス等を学習しましたので、
インプットだけで終わらず、アウトプットとして
実際に自分でコード進行を一から作る手順方法をレッスンしていきます。

一からコード進行を作りますので
前回学習したケーデンスとセットでコード進行を作れるようになると
スタンダードのコード進行の分析が楽しくなると思います。

また、コード進行を実際に一から作ることにより

グループ分けした代理コードの意味やドミナントコードが
不安定なコードでトニックコードに進みたくなるなみたいな
感覚を実際に体感することができます。

では、実際にどうやってコード同士を連結して
コード進行を作るのかみていきましょう。

キーCメジャーの場合で考えていきましょう。
まずCメジャーの四和音ダイアトニックコードを用意しましょう。

〈キーCメジャーの四和音のダイアトニックコード〉
ⅠM7 Ⅱm7 Ⅲm7 ⅣM7 Ⅴ7 Ⅵm7 Ⅶm7(♭5)
CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 Am7 Bm7(♭5)

そして3つの機能にグループ分けします。
さらに各機能の特徴を思い出しましょう。

〈3つの機能にグループ分け〉
トニックコード サブドミナントコード ドミナントコード
CM7,Em7,Am7 FM7,Dm7 G7,Bm7(♭5)
安定 補助、少し不安定 不安定

では、これらの材料でコード進行を組み立てていきましょう。

まず、1小節目は始まりですので安定のトニックコードCM7コードを使用しましょう。

〈一からコード進行作り例1-1〉
1小節目
安定
CM7

2小節目は最初が安定でしたので少し不安定なサブドミナントコードFM7コードにして
コードに動きを出してみましょう。

〈一からコード進行作り例1-2〉
1小節目 2小節目
安定 少し不安定
CM7 FM7

3小節目は安定→少し不安定と進んできましたので
さらに不安定のG7コードにしてよりコードに動きを出してみましょう。

〈一からコード進行作り例1-3〉
1小節目 2小節目 3小節目
安定 少し不安定 不安定
CM7 FM7 G7

4小節目は3小節目を弾いた時点で一旦トニックコードに落ち着きたいなと
コード感から感じましたのでトニックコードに解決してみましょう。
このドミナントコードからトニックコードに進むコード進行を
ドミナントモーションといいました。

実際にコードを弾いてみていかがでしょうか?
ドミナントコードG7を弾いた後にトニックコードCM7コードを
弾いて解決した感覚は感じましたでしょうか?

また、2小節目~4小節目は前回の基本のケーデンスのレッスンで
学んだ3つ目のケーデンスパターンでもあります。
サブドミナント(S)→ドミナント(D)→トニック(T)
というケーデンスパターンです。

〈一からコード進行作り例1-4〉
1小節目 2小節目 3小節目 4小節目
安定 少し不安定 不安定 安定
CM7 FM7 G7 CM7

それでは、次にこのコード進行を基本として、
コードの機能同士でコードを交換して代理コードの使い方を習得しましょう。

まず2小節目のサブドミナントコードの代理Dm7コードに置き換えてみましょう。
2小節目からツーファイブワンというジャズで必須のコード進行になりました。

〈一からコード進行作り例1-5〉
1小節目 2小節目置き換え 3小節目 4小節目
安定 少し不安定 不安定 安定
CM7 Dm7 G7 CM7

次に最後の4小節目をトニックコードの代理に置き換えてみましょう。
トニックコードの代理はEm7コードとAm7コードでした。
今回はAm7コードを選択してみましょう。
すると

ドミナントコードからトニックの代理コードAm7に着地しましたので
これを偽終止といいます。
※もちろん代理コードのEm7でも偽終止になります。
〈一からコード進行作り例1-6〉
1小節目 2小節目置き換え 3小節目 4小節目置き換え
安定 少し不安定 不安定 安定
CM7 Dm7 G7 Am7
偽終止とは

今回の例ですとツーファイブと進行してきたコード進行のあとは
普通トニックコードに解決するだろうとリスナーさんは期待しますが
そこを裏切る形で敢えてトニックコードの代理に終止することから
名前の通り偽終止といいます。
また、偽終止の特徴は本家のトニックコードより安定感がないことから
曲の最後締めで使われず(曲が終わった感覚を得られないため)
次にコードが続きます。

ということでそのまま5小節目を作っていきましょう。
5小節目は今まで1小節を機能ごとにコードを繋げてきましたので
ここでは4小節目のコードと同じ機能(安定)のEm7コードにしましょう。

〈一からコード進行作り例1-7〉
1小節目 2小節目置き換え 3小節目 4小節目置き換え 5小節目
安定 少し不安定 不安定 安定 安定
CM7 Dm7 G7 Am7 Em7

6小節目は安定→安定ときましたので少し不安定な要素が欲しいのと
記事レッスンが長くなってきましたので
ここではケーデンスのパターンを使って一気に8小節のコード進行を作ります。

「一からコード進行を作る方法」と「ケーデンスから作る方法」を
最後にまとめたと捉えてくださいね。

ケーデンスのパターンは先程出てきた
少し不安定(S)→不安定(D)→安定(T)を代理を使わずそのまま当てはめます。

〈一からコード進行作り例1-8〉
1小節目 2小節目置き換え 3小節目 4小節目置き換え 5小節目 6小節目~8小節目
安定 少し不安定 不安定 安定 安定 ケーデンス
CM7 Dm7 G7 Am7 Em7 FM7→G7→CM7

コード進行を一から作る方法を解説してきましたが
いかがでしたでしょうか?
最低限の音楽理論の知識さえあれば意外にこんなにも
簡単にコード進行を作れると少しでも実感していただけたら嬉しいです。

もちろん最初からこのようにコード進行を一から作ると
完璧を目指す必要はありません。
音楽理論がこうやって使われて
コード進行を作ることができるんだくらいの感覚で大丈夫です。

コード進行の意識の大切さについて

ついでにですが
日頃の練習からコード進行を少しでも意識していると
コード感が自然と身につくようになります。
このコード感が身につくとコード進行をリハーモナイズしたり、
アドリブでソロを弾くときにバックで鳴ってるコードを
見失うということが無くなりますので
是非、今演奏しているコードはドミナントコードを弾いているとか
今のうちから少しずつコード進行を意識しながら
練習してみてください。