ジャズブルースをコードアルペジオのコールアンドレスポンスとターゲットノートを使ったアドリブソロを一から作る

チャーチモードとは?

チャーチモードとは?

スケール編第2回目のレッスンは

チャーチモードについて解説します。

チャーチモードとは

教会旋法と呼ばれるメジャースケールの各音をトニックとして
並べかえた7種類のスケールのことをチャーチモードといいます。

また、アヴィラブルノートスケールという
ダイアトニックコードの7つのコードにそれぞれ対応した7つのスケールと
説明される場合もあります。

最終的には同じことを指していますので
覚えやすい方で捉えてください。

アイオニアン(Ionian)スケール

メジャースケールの1番目から並べたスケールです。

メジャースケールと同一であるため
モードに含めないと考える人もいます。
ここがある意味ややこしい部分です。

モードジャズとして使う場合は
特徴音(特性音)が完全4度になります。

しかし一般的にメジャースケールで完全4度は
コードトーンの大事な要素である長3度と半音関係にあることから
アボイドノートとして扱われます。

一般的にテンション音がコードトーンと半音でぶつかる場合は
アボイドノートとして分類されます。

ですので、ビバップジャズでメジャースケールを使用するときは
あまり完全4度の音を長く伸ばさないで弾くフレーズが多いです。

つまり、アボイドノートは避けるべき音であって
絶対弾いてはいけない音ではないため
長く音を伸ばさなければ使用できるということですが
強調して使用することは避けられています。

ただしこれをモードジャズでモードスケールとしてアイオニアンスケール
を使用するときはアボイドノートという概念は無視します。

ドリアン(Dorian)スケール

メジャースケールの2番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

ドリアンモードとして有名ですが
ビバップジャズでスケールとして使用する場合は

Ⅱm7コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は長6度になりますので
モードジャズとしてドリアンモードを弾くときは
長6度を強調させてあげるとドリアンサウンドを出しやすいです。

フリジアン(Phrygian)スケール

メジャースケールの3番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

ハードロックやスペイン的な要素が特徴ですが
ビバップジャズでスケールとして使用する場合は

Ⅲm7コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は短2度になりますので
モードジャズとしてフリジアンモードを弾くときは
短2度を強調させてあげるとフリジアンサウンドを出しやすいです。

リディアン(Lydian)スケール

メジャースケールの4番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

ジョー・サトリアーニやスティーヴ・ヴァイ等の
ロックギターのインストで使用されることが多いスケールですが
ビバップジャズでスケールとして使用する場合は

ⅣM7コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は増4度になりますので
モードジャズとしてリディアンモードを弾くときは
増4度を強調させてあげるとリディアンサウンドを出しやすいです。

ミクソリディアン(Mixolydian)スケール

メジャースケールの5番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

ブルース等で使用されるスケールとして有名ですが
ビバップジャズでスケールとして使用する場合は
Ⅴ7コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は短7度になりますので
モードジャズとしてミクソリディアンモードを弾くときは
短7度を強調させてあげるとミクソリディアンサウンドを出しやすいです。

エオリアン(Aeolian)スケール

メジャースケールの6番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

哀愁あるポップスで使用されるスケールですが
メジャースケールと同様にナチュラルマイナースケールと
同一のスケールになりますのでモードとして考えないという
方もいますがビバップジャズでスケールとして使用する場合は

Ⅵm7コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は短6度になりますので
モードジャズとしてエオリアンモードを弾くときは
短6度を強調させてあげるとエオリアンサウンドを出しやすいです。

ロクリアン(Locrian)スケール

メジャースケールの7番目の音をトニック音にして並べたスケールです。

チャーチモードの中で一番暗く緊張感のあるスケールですが
ビバップジャズでスケールとして使用する場合は

Ⅶm7(♭5)コードのアヴィラブルノートスケールとして解釈して
使用する方が無難です。

特徴音は短2度と減5度になりますので
モードジャズとしてロクリアンモードを弾くときは
短2度と減5度を強調させてあげるとロクリアンサウンドを出しやすいです。

チャーチモード比較表
スケール名 スケールディグリー 特徴音(特性音)
アイオニアン 【R,2,M3,4,5,M6,M7】 完全4度
ドリアン 【R,2,m3,4,5,M6,m7】 長6度
フリジアン 【R,m2,m3,4,5,m6,m7】 短2度
リディアン 【R,2,M3,♯4,5,M6,M7】 増4度
ミクソリディアン 【R,2,M3,4,5,M6,m7】 短7度
エオリアン 【R,2,m3,4,5,m6,m7】 短6度
ロクリアン 【R,m2,m3,4,♭5,m6,m7】 短2度と減5度

上記のチャーチモード比較表から
実は特徴音(特性音)がアボイドノートの場合が結構多いことがわかると思います。

つまり、モードジャズとして弾く場合はこのアボイドノートを
強調することによって強烈な個性のあるモードサウンドを生み出すことができます。

ですのでモードスケールは解釈と使い方が非常に難しいですので
ジャズ初心者さんがビバップジャズでチャーチモードを使うときは
モードという概念で使うのではなくアヴィラブルノートスケールとして
コードに合うスケールをスケールとして均等に弾くスタイルの方が
上手くチャーチモードを使えると思います。

コードごとに合うスケールをフレーズの解釈の目安として
使用するとフレーズを覚えやすかったり、フレーズ発想に役に立ちます。

例えばツーファイブフレーズをメジャースケール一発と分析してしまうと
フレーズ解釈がひろすぎてフレーズを覚えにくいですが
コードごとに何のスケールが使われていると目安があると
フレーズをコードごとに覚えることができますので覚えやすいですし
フレーズを色々組み合わせたり応用させやすいメリットもあります。