ジャズで必須の「ドミナントモーション」とは?
- 2018.03.23
- ジャズギター基礎知識編
- トライトーン, ドミナントモーションとは, ドミナントモーション仕組み
ジャズ基礎知識編第12回目は
ジャズで必須の「ドミナントモーション」について
仕組みを解説していきます。
ドミナントモーションしている所を探せるようになるだけでも
ジャズという音楽に親しみを感じれるようになりますので、
是非、今回のレッスンでドミナントモーションの知識を習得してください。
ドミナントモーションとは?
ドミナントセブンスコードからトニックコードへ解決する力強い動きのことを
ドミナントモーションといいます。
ドミナントモーションの特徴は大きく2つあります。
①「トライトーンの解決」
②「ルートモーションによる強進行」
■ドミナントモーションの仕組みについて_YouTubeジャズギターレッスン動画
トライトーンの解決とは
ドミナントセブンスコードの構成音である短7度と長3度の
音程から作られるトライトーンという不安定なサウンドが
次のトニックコードの3度の音とルート音に解決することをトライトーンの解決といいます。
例えばCメジャーキーで解説しますと
ドミナントセブンスコードのG7コードの短7度はFの音で長3度はBの音
トニックコードのCM7コードの長3度はEの音でルートはCの音になります。
このFの音とBの音から作られるトライトーンの音程が
次のトニックコードのEの音とCの音にそれぞれ着地します。
つまり、G7コードの短7度のFの音はCM7コードの長3度のEの音へ半音下に下行して解決。
G7コードの長3度のBの音はCM7コードのルートのCの音へ半音上に上行して解決しています。
また短2度上のトニックに進行するBの音を「主音に導く音」として導音(Leading-tone)と呼ぶこともあります。
これはトライトーンの音程を全音3つ分に置き換えた音程のことを意味します。
このトライトーンとは「悪魔の音程」と呼ばれることがあるくらい不安定なサウンドになります。
ルートモーションによる強進行とは
ルートモーション(ベースライン)が完全5度下行あるいは
完全4度上行する力強い動きのことをいいます。
ルートモーション(ベースライン)は
Gから下にGFEDCと数えると完全5度下行
Gから上にGABCと数えると完全4度上行
しています。
この完全5度下行あるいは
完全4度上行する進行を強進行といいます。
ちなみにですが、ジャズで定番のツーファイブワンのルートモーションは
この強進行の動きをしています。
つまり、Dm7コードのルート音であるDの音からG7コードのルート音であるGの音への動きも
完全5度下行あるいは完全4度上行していますので強進行になっています。
ですので、ツーファイブワンというジャズで定番のコード進行は強進行という
力強い動きのコード進行で出来ています。
①「トライトーンの解決」と
②「ルートモーションによる強進行」
が同時に起きる
トニックマイナーコードに解決するドミナントモーションについて
トニックマイナーコードに解決するドミナントモーションは
トライトーンの解決の部分だけ少し弱くなります。
これはドミナントセブンスコードの短7度の音が今まで半音下に下行して解決していたのが
トニックマイナーコードの短3度の音に解決しますので半音から全音の動きになります。
ですのでここの部分だけメジャーの場合より少し弱くなりますが
他のドミナントモーションの要素はメジャーの場合と同じですので、終止感は充分得られます。
ドミナントモーションの原理を知っていると解決を弱くしたりすることもできます。
例えば
短7度の音であるFの音がないので
トライトーンの解決が弱くなりますのであえて
三和音を使って解決を弱くすることもできます。
ドミナントがGメジャートライアドでトニックコードがCメジャートライアドの場合
解決を強くしたい場合は
Cメジャートライアドを四和音にしなくてもGメジャートライアドだけ
短7度の音を追加して解決を強くすることもできます。
今回のレッスンではドミナントモーションの仕組みについて解説してきましたが
いきなり全部理解できなくても焦らないでください。
ドミナントモーションの仕組みを理解できるようになると
ドミナントモーションを弱くしたり、後のレッスンで解説する
セカンダリードミナントや裏コードの仕組みも簡単に理解できるようになりますので
今回のレッスンは結構、音楽用語を使っていたりします。
ですので、繰りかえし復習して少しずつ理解できれば十分ですので
一回のレッスンで理解できなくても落ち込まないでください。