ダイアトニックコードとは?
- 2018.03.21
- ジャズギター基礎知識編
- ダイアトニックコード, ダイアトニックコードの作り方, ダイアトニックコード仕組み, 三和音のダイアトニックコード, 四和音のダイアトニックコード
今回のレッスンではジャズを習う上で必須となってくる
ダイアトニックコードの仕組みについて一から勉強していきましょう。
■ダイアトニックコード以外のコードが出現したら
調性という概念からインサイドとアウトサイドの音を区別できるようになる
アドリブする上でダイアトニックコード以外のコードを
区別できるかが肝になってきます。
■アヴェイラブルノートスケールの理解に役に立つ
この中で特に大事なのはコード進行を分析するのに
ダイアトニックコードの知識は必要になってきますので、
是非このレッスンでダイアトニックコードの基礎知識を習得してください。
■ダイアトニックコードの作り方_YouTubeレッスン動画
一つの調性の中で成立するコード
つまり、調性に属するコードのことをいいます。
少し抽象的的でイメージしにくいと思いますので
【Cメジャーキー】の「ドレミファソラシ(Cメジャースケール)」
を例に説明します。
ダイアトニックコードを作る上での3つの制約
Cメジャースケールのメジャーダイアトニックコードを作る場合の制約として
つまり、Cメジャースケールの構成音のみの組み合わせでコードを作るということになります。
つまり、Cメジャースケールの音を3度音程で積み重ねてコードを作っていきます。
Cメジャースケールからできる「三和音」と「四和音」のメジャーダイアトニックコードを作る手順
①「ドレミファソラシ」=「CDEFGAB」のスケール音をそれぞれルート音として
並べます。
②それぞれのルート音に対してCメジャースケールの構成音を一つ飛ばした音を一つ重ねます。
③さらにCメジャースケールの構成音を1つ飛ばした音を重ねます。
これでCメジャーキーの場合の三和音のメジャーダイアトニックコードができました。
④この三和音に、さらにCメジャースケールの構成音を1つ飛ばした音を重ねます。
これでCメジャーキーの場合の四和音のメジャーダイアトニックコードができました。
その上にCメジャースケールの構成音だけを使用して
「3度」ずつ重ねていきますので
ダイアトニックコードは全部で7個のコードができます。
そして同時に調性感が保たれていることにもなります。
ですので
ジャズで部分転調することが多いのはこのダイアトニックコード以外の音を使用して
調性感を少し不安定にすることにより、
アウトサウンドを楽しめるスリリングな音楽を演奏できるようになります。
ダイアトニックスケールと呼んだりします。
ダイアトニックスケールについては
スケール編のチャーチモードの説明で詳しく解説します。
マイナーのダイアトニックコードについて
■マイナーダイアトニックコードについて_YouTubeレッスン動画
マイナーダイアトニックコードは
3種類のダイアトニックコードがあります。
なぜ、3種類のダイアトニックコードあるのかといいますと
これは、マイナースケールが3種類あるためです。
まず、メジャースケールの6番目の音から並べた
ナチュラルマイナースケールからできるダイアトニックコードで一つ
しかし、このナチュラルマイナースケールだと
トニックマイナーコードに解決するドミナントコードがドミナントマイナーコードになってしまいますので
それを解消するために
つまり、ハーモニーを便宜的に調整するために作られた
ハーモニックマイナースケールからできるダイアトニックコードで一つ
さらに、この便宜的に作られたハーモニックマイナースケールはハーモニーに重点を置いてしまったために
旋律いわゆるメロディーに短3度の音程ができてしまいましたので
それを解消するために
つまり、メロディーを便宜的に調整するために作られた
メロディックマイナースケールからできるダイアトニックコードで一つ
とマイナーダイアトニックコードは3種類あります。
しかし今の段階で、この3種類のダイアトニックコードを全部覚えようとすると挫折してしまいますので
最初は実践でよく出てくるコードに絞って効率的に音楽理論を使えるようにしていきます。
まず、そもそも「メジャーダイアトニックコード」は1種類しかないのに
「マイナーダイアトニックコード」が3種類できてしまった経緯は
トニックマイナーコードに解決するドミナントコードが
ドミナントマイナーコードであることが原因でした
ドミナントコードだけをとりあえず、覚えれば大丈夫です。
なんでかといいますと、「ハーモニックマイナースケール」や
「メロディックマイナースケール」からできる他のコードも
メジャーダイアトニックコードを作る『3つの制約』と同じ概念でコードを作ります。
つまり、便宜的に作られたスケールの構成音をそれぞれルート音にして
スケールの構成音だけで一つずつ音を飛ばしてコードを作りますので
結構クセがあり使いづらいコードもあります。
ですので、実際の曲でもそこまであまり出てきません。
スケール編で詳しく解説します。
「メロディックマイナースケール」からできる他のコードも
アドリブのアイディアとして応用的に使えますが上級者向きのアプローチ方法ですので
暗記に余裕のある方以外は、とりあえず実際の曲でよく使われる
ナチュラルマイナースケールからできるダイアトニックコードと
トニックマイナーコードに解決するドミナントコードだけをおさえておきましょう。
ジャズをある程度弾けるようになって、スケール以外でアウトする方法を考えるときに
メロディックマイナースケールのダイアトニックコードを利用してオルタードサウンドを
作ったりしてアドリブを発展させることができます。
私のオリジナル教則本「ダイアトニックコードの組み合わせで作るオルタードフレーズ」
はメロディックマイナースケールのダイアトニックコード
に注目してコードの組み合わせでオルタードサウンドを作っています。
メジャーダイアトニックコードの呼び方について補足
メジャーダイアトニックコードと「メジャー」が頭に付くのは
マイナーダイアトニックコードと区別するためです。
しかし、現状はメジャーダイアトニックコードのことを
『ダイアトニックコード』と略して呼ぶことが多かったりします。
これはダイアトニックコードという大きな定義を説明するときに
メジャースケールで説明することが定番のため
メジャーダイアトニックコード=ダイアトニックコード
みたいなイメージがほとんど定着してしまっているためです。
ですので、本来はダイアトニックコードという大きな定義の下に
メジャーダイアトニックコードがあるのですが
事実上、メジャーダイアトニックコードのことをダイアトニックコードと捉えている方が
ほとんどですので、一応それを理解した上で
ダイアトニックコードと説明しているが
この場合はメジャーダイアトニックコードのことを指しているなと置き換えてあげてください。
またあえて、メジャーダイアトニックコードと長く言わず
ダイアトニックコードと省略している場合もあります。