ウエスモンゴメリー風ソロフレーズの分析
- 2018.06.14
- ジャズ巨匠ソロフレーズ分析編
- Wes Montgomery, ウエスモンゴメリーソロ分析, オクターブ奏法
ジャズ巨匠ソロフレーズ分析編第2回目のレッスンは
ウエスがジャズブルースで弾くような
ブルーススケール(ブルーノートスケール)を使ったフレーズや
簡単なオクターブソロを分析します。
他のウエスの特徴であるコードメロディやディミニッシュアプローチ等は
少し難しいですので、今回は取り上げていません。
まずはオクターブソロを徹底的に練習しましょう。
オクターブソロだけでもウエスらしくなります。
ではフレーズ1からみていきましょう。
■ウエスモンゴメリー風ソロフレーズ1
フレーズ1とフレーズ2はFのジャズブルースのフレーズになります。
1小節目を度数で分析すると【5,m7,5,4,m3,R】
ブルーノートと呼ばれる「m3,♭5,m7」をしっかりと使っています。
度数に♭5度の音が入っていませんが
♭5度の音は5度から4度にスライドするときに経過音として含まれています。
このスライドしてる部分で少しブルージィーに聴こえてきませんか?
また最初の入りの1拍目を1音下からグリスで入るとよりブルージィーになります。
ジャズはあまりチョーキングとかしませんので
スライドやグリスでニュアンスを表現できるようになるとジャズギターが上手くなります。
2小節目は1音だけですがオクターブ奏法でルートのF音を弾いています。
フレーズ1はブルーススケールの音だけでフレーズを作っています。
■ウエスモンゴメリー風ソロフレーズ2
1小節目のフレーズは譜例1をオクターブ下げているだけです。
度数で確認してみてください。
2小節目の度数は【M6,R,m3,M3】
ブルーススケールにM6度の音を追加しています。
最後はm3度からM3度にアプローチするブルースの定番アプローチを弾いています。
M6度の音をブルーススケールに混ぜて弾くことがかなり多いです。
■ウエスモンゴメリー風ソロフレーズ3
フレーズ3はAのジャズブルースのフレーズになります。
ウエス風の簡単なオクターブソロです。
2オクターブ分「Aトライアド」のコードトーンに
半音下からアプローチしているだけのフレーズになりますが
ウエスの定番アプローチですので覚えておきましょう。
コードトーンが拍の頭にくるようにしてください。
拍の頭をアプローチ音にしてしまうと間違っているように聴こえますので
リズムには気をつけてください。
弾いている内容はコードトーンに半音下からアプローチしているだけなのに
オクターブ奏法になると少し難しく聴こえるのが不思議な感じです。
オクターブ奏法にして弾いてみてください。
オクターブ奏法の良い練習材料になると思います。
■クロマチックアプローチ編の単音ソロをオクターブ奏法で弾いた例
■ウエスモンゴメリー風ソロフレーズ4
フレーズ4はFメジャーキーのツーファイブフレーズになります。
前半2拍はGm7コードアルペジオ「R,m3,5,m7」
後半2拍はオルタードフレーズ「M3,♭9,R,m7」
最後トニックコードのM3度に着地しています。
Gm7コードのコードアルペジオの部分だけポジションを2箇所で弾いています。
最初のルートのG音を5弦ルートで弾く場合と4弦ルートで弾く場合の違いだけですが
オクターブ奏法の場合「コードアルペジオ」をどう弾くと弾きやすいか
考えてみると、色々な発見があると思います。
個人的には単音アルペジオは5弦ルートの方が弾きやすいですが
オクターブ奏法の場合は4弦ルートで弾く方が弾きやすく感じます。
みなさんはどうでしょう?
自分のストックしているフレーズをオクターブ奏法で弾く練習は
フレーズの仕組みや弾きやすいポジションを
改めて考え直す機会にもなりますので参考にしてみてください。
またシンプルなコードアルペジオだけをオクターブ奏法で弾く練習もおすすめです。
オクターブ奏法は慣れるまでなかなかスムーズに弾くことができないと思いますが
慣れてくると単音のソロをそのままオクターブ奏法で弾きたいと思ったときに
そのまま単音ソロを弾くような感じで弾くことができるようになります。