ジャズブルースをコードアルペジオのコールアンドレスポンスとターゲットノートを使ったアドリブソロを一から作る

パットマルティーノ風ソロフレーズの分析

パットマルティーノ風ソロフレーズの分析

ジャズ巨匠ソロフレーズ分析編第6回目のレッスンは

パットマルティーノ(Pat Martino)風のソロフレーズの分析をしていきます。

パットマルティーノの特徴あるフレーズとして
数小節同じコードが続く場合のマイナーセブンスコードやドミナントセブンスコードで使用できる
フレーズを中心に取り上げていきます。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ1

パットマルティーノ風ソロフレーズ1_楽譜

Dm7【R,m7,M6,5,4,2,m3,5】+【2,R】

パットマルティーノの定番ドリアンフレーズです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ2

パットマルティーノ風ソロフレーズ2_楽譜

Dm7【9,♭9,R,m7,M6,5,4,2】+【m3】

9thからルートにクロマチックアプローチしてからドリアンスケールを弾いています。
ドリアンフレーズにクロマチックアプローチを組み合わせたフレーズです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ3

パットマルティーノ風ソロフレーズ3_楽譜

Dm7【9,m3,9,♭9,R,m7,M6,5】+【4,2,m3,5,2,R】

フレーズ1の最初2拍にクロマチックアプローチを追加しただけです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ4

パットマルティーノ風ソロフレーズ4_楽譜

Dm7【2,M7,R,2,m3,4,5,m7】+【フレーズ3の度数】

フレーズ3にさらに1小節分フレーズを前に追加しています。
つまり2小節目以降はフレーズ3と同じです。
このようにパットマルティーノのフレーズの特徴として
フレーズ同士を組み合わせやすいので長いフレーズを簡単に作ることができます。
参考にしてみてください。

追加したフレーズのM7度の音は2つの解釈方法があります。
ドリアンスケールのルートに半音下からアプローチしているM7度と解釈。
もう一つの解釈は
前半はメロディックマイナースケールで後半はドリアンスケールに切り替えたと解釈。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ5

パットマルティーノ風ソロフレーズ5_楽譜

Dm7【フレーズ4の1小節目】+【9,m3,9,R,m7,M6,5,4,2】+【m3】

1小節目はフレーズ4と同じで2小節目以降をパットマルティーノのドリアンフレーズのバリエーションに変更しています。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ6

パットマルティーノ風ソロフレーズ6_楽譜

Dm7【m3,M7,2,M7,R,2,m3,4】+【5,m7,9,R】

このフレーズもパットマルティーノの定番フレーズです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ7

パットマルティーノ風ソロフレーズ7_楽譜

Dm7【m3,4,5,m7,♭13,R,m3,5】+【4,m3,2,R,m7,♭13,4,♭5】+【5】

ドリアンスケールの6度抜き、Dmトライアド、クロマチックアプローチを組み合わせたフレーズです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ8

パットマルティーノ風ソロフレーズ8_楽譜

Dm7【m3,5,m7,9,11,M3,m3,9】+【R,m7,M6,5,4,m3,2,R】

前半2拍はDm7(9)のアルペジオを弾いて、
後半2拍は11thから9度までクロマチックアプローチしています。
2小節目はDドリアンスケールをルートからそのまま下行しているだけです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ9

パットマルティーノ風ソロフレーズ9_楽譜

CM7【R,M3,5,M7,M6,M7,R,9】+【M7,M6】

CM7アルペジオを弾いてからCメジャースケールの構成音を弾いています。
パットマルティーノの定番トニックフレーズです。

■パットマルティーノ風ソロフレーズ10

パットマルティーノ風ソロフレーズ10_楽譜

CM7【5,M3,2,R,M7,R,M3,5】+【M7,m7,M6,m6,5,M3,2,R】

2小節目のM7度から5度にクロマチックアプローチする方法は
メジャーセブンスコードでパットマルティーノが
クロマチックアプローチする定番のアプローチ方法です。

パットマルティーノ(Pat Martino)のフレーズ分析のまとめ

今回のマイナーセブンスコードのフレーズ(フレーズ1〜フレーズ8)を
ドミナントセブンスコード上でマイナーコンヴァージョンとして使用することができます。

マイナーコンヴァージョンについては私の著者本である
【マイナー・コンヴァージョン初心者でも使いこなす・実践メジャー&マイナー・ツーファイブフレーズ50個】の無料立ち読み版を参照してください。
マイナーコンヴァージョンは新たな視点でアドリブができる方法ですので
アドリブのアプローチを増やしたい方におすすめです。

つまり、今回のフレーズは
リズムチェンジのBセクションとかドミナントセブンスコードが連続で続く場合の
セブンスコードのフレーズとしても弾くことができます。

マイナーコンヴァージョンはパットマルティーノの代名詞でもありますので
フレーズを分析するときに参考にしてみてください。