ジャズブルースをコードアルペジオのコールアンドレスポンスとターゲットノートを使ったアドリブソロを一から作る

グラントグリーン風ソロフレーズの分析

グラントグリーン風ソロフレーズの分析

ジャズ巨匠ソロフレーズ分析編第4回目のレッスンは

グラントグリーン(Grant Green)風のソロフレーズを分析していきます。
グラントグリーンの特徴のあるフレーズとして
ツーファイブフレーズ、ドミナントフレーズ、マイナーセブンスコード一発フレーズ、
セブンスコード一発フレーズ、ブルーススケールフレーズ等を分析します。

ビバップフレーズの参考になると思います。

■グラントグリーン風ソロフレーズ1

グラントグリーン風ソロフレーズ1_楽譜

Cm7【9,m7,5,m3,R,5,m7,5】

フレーズ構成音はCm7(9)の音のみです。
6音目と8音目の「5度のペダル」をグラントグリーンはよく使います。

F7【M3,5,m7,R,♭9,♯9,R】

F7コードのM3度からアルペジオでルートまで弾いてから
オルタードテンション「♭9度と♯9度」→ルートと弾いて休符を挟んで
トニックコードのルートに着地しています。

最後のB♭M7のルート音をスタッカート気味に弾くと
グラントグリーンっぽいニュアンスになります。

■グラントグリーン風ソロフレーズ2

グラントグリーン風ソロフレーズ2_楽譜

Dm7【5,m3,R,5,M7,5,m7,M7,m7,5】

こちらも5度をペダルにしているのが特徴的です。
またグラントグリーンは16分の3連符や8分の3連符を
ハンマリングとプリングを使用してフィル的にフレーズに混ぜるのが得意です。

G7【M3,5,m7,R,♭9,♯9,♭9,R,m7】

フレーズ1と同様に前半2拍はコードアルペジオ、
後半2拍はオルタードフレーズになっています。

最後はCM7コードのM3度に着地しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ3

グラントグリーン風ソロフレーズ3_楽譜

G7【5,4,M3,5,m7,♭9,R,m7】

グラントグリーンがマイナートニックコードに解決する時によく使うHP5フレーズです。
m3度に着地しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ4

グラントグリーン風ソロフレーズ4_楽譜

G7のフレーズはフレーズ3と同じです。
つまりフレーズ3の別ポジションのHP5フレーズということです。
ただし最初に16分の3連符で5度にクロマチックアプローチしています。
最後のマイナートニックコードはルート音を追加しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ5

グラントグリーン風ソロフレーズ5_楽譜

Am7【2,m3,2,M7,R,2,m3,4,5,9,R】

マイナーセブンスコードの一発フレーズです。
メロディックマイナースケールを使用しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ6

グラントグリーン風ソロフレーズ6_楽譜

Fm7【2,m3,2,M7,R,2,m3,4,5,m7,M6,4

キーは違いますがフレーズ5と比べて色が付いている所が変化しています。
このフレーズもメロディックマイナースケールを使用しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ7

グラントグリーン風ソロフレーズ7_楽譜

G7【9,m7,5,2,4,2,M3】

セブンスコード一発のフレーズです。
Dm7コードを想定して最後G7コードの大事な音に着地しています。

G7コードでDm7コードを想定して弾くアプローチは
定番ですので覚えておきましょう。

バリエーションフレーズは
最後4分音符を8分音符にしてルート音を追加しています。

■グラントグリーン風ソロフレーズ8

グラントグリーン風ソロフレーズ8_楽譜

G7【9,m7,5,2,♭5,2,4,2,M3,R】

フレーズ7にさらに音を追加しています。

「5,2,♭5,2,4,2,M3」のラインをもう少し細かく分析してみます。
ペダルの「2度」を省略してみると
「5,♭5,4,M3」と5度からM3度へのクロマチックアプローチであることがわかります。
ペダル音と組み合わせた少し複雑なクロマチックアプローチです。

■グラントグリーン風ソロフレーズ9

グラントグリーン風ソロフレーズ9_楽譜

B♭7【♭5,5,R,4,♭5,4,m3,R,m7,R】

ブルーススケール(ブルーノートスケール)のフレーズになります。
グラントグリーンのブルージィーな響きに欠かせないスケールです。

■グラントグリーン風ソロフレーズ10

グラントグリーン風ソロフレーズ10_楽譜

B♭7【5,R,♭5,4,m3,R,m3,4】

こちらもグラントグリーンが手癖で弾くようなブルーススケールのフレーズです。

グラントグリーンのソロフレーズ分析のまとめ

グラントグリーンのフレーズを分析すると
ビバップの特徴であるクロマチックラインにペダルを組み合わせて
よりビバップフレーズらしさを感じることができます。

また、16分の3連符や8分の3連符を
ハンマリングやプリング等のテクニックを使用して
上手くフレーズに混ぜてくるのでフレーズのちょっとしたリズム変化の参考にもなります。