トニックディミニッシュとは?
- 2018.06.11
- リハーモナイズ編
- トニックディミニッシュ, トニックディミニッシュ仕組み, トニックディミニッシュ使い方
リハーモナイズ編第7回目のレッスンは
トニックディミニッシュの仕組みや使い方を一から解説しますが
結構理解するのに時間がかかると思いますので
取り敢えず最初は流し読み程度で大丈夫です。
まずディミニッシュコードは大きく3つのタイプに分類することができます。
■ドミナントの代理
■パッシングディミニッシュ
ダイアトニックコードとダイアトニックコードの間をスムーズに連結します。
つまり、経過音的に使用されます。
パッシングディミニッシュは上行形と下行形の2種類があります。
■トニックディミニッシュ
今回は3つ目のトニックディミニッシュについて説明します。
トニックディミニッシュとは
トニックにディミニッシュという名前が付いている通り
トニックの部分でディミニッシュを使うことから
『トニックディミニッシュ』という名前が付いています。
半音下のドミナントセブンスコードに置き換えることが可能です。
どうしてこんなことができるのかと言いますと
例えばキーCメジャーの場合を例に考えてみますと
「Cdim7→CM7」というをコード進行を
「B7→CM7」という半音下のB7コードに置き換えることができます。
これはディミニッシュコードがⅤ7(♭9)の根音省略形とイコールであることから導きだすことができます。
B7(♭9)の構成音は「B(R),D♯(M3),F♯(5),A(7),C(♭9)」
根音を省略して並べ直すと「C,D♯(E♭),F♯(G♭),A」=Cdim7
となりますので
B7(♭9)=Cdim7
これでトニックディミニッシュは
半音下のドミナントセブンスコードに置き換えることが証明できましたが
さらに、ディミニッシュコードは転回しても
ディミニッシュコードの構成音は音程が全て均等なので
短3度の関係より下記を導くことができます。
「Cdim7=E♭dim7=G♭dim7=Adim7」
ということは
Cdim7以外の3つのディミニッシュコードも
半音下のドミナントセブンスコードに置き換えることができるということになります。
G♭dim7=F7
Adim7=A♭7
つまりトニックディミニッシュは4つのセブンスコードに置き換えることもできてしまいます。
Cdim7=「B7,D7,F7,A♭7」
トニックディミニッシュケーデンスと呼びます。
トニックディミニッシュケーデンスをさらに分割すると
星影のステラ(Stella By Starlight)の冒頭2小節を説明することができます。
星影のステラの冒頭2小節は
「Em7(♭5)→A7」となっていますので
B♭のトニックディミニッシュと分析することができます。
B♭dim7=A7
このA7コードのドミナントセブンスをツーファイブ化すると
Em7→A7となります。
そしてこのEm7はⅣ♯m7となりますので
Ⅳ♯m7(♭5)「Em7(♭5)」にしてあげてトニックコードの代理コードにしてあげると
より自然に聴こえるようになります。
Ⅳ♯m7(♭5)はトニックの代理コードとしてジャズで頻繁に現れるコードです。
どうしてトニックの代理コードになるのかと言いますと
コード構成音がトニックコードに似ていて転回型とみなすことができるためです。
例えばキーがCの場合
Ⅳ♯m7(♭5)はF♯m7(♭5)となりますね。
この構成音を書き出すと「F♯,A,C,E」
Cをルートとしてみると「C(R),E(M3),A(6),F♯(♯11)」=C6(♯11)
となりますので
Ⅳ♯m7(♭5)はトニックの代理コードとして使えることになります。
リハーモナイズで使う場合
上記のレッスンの流れからわかるようにトニックコードをリハーモナイズするときに
トニックディミニッシュでリハーモナイズすることができます。