トライトーンサブスティチューション(裏コード)について
- 2018.06.10
- リハーモナイズ編
- トライトーンサブスティチューション, 裏コードとは
リハーモナイズ編第3回目のレッスンは
裏コードについては今までのレッスンで何度が登場しましたので
なんとなくどういうコードであるかは想像がついていると思いますが
一応リハーモナイズのテクニックとして使えるように、仕組みを一から説明します。
最後にツーファイブワンをリハーモナイズした具体例を示していますので
裏コードによるリハモの参考になると思います。
トライトーンサブスティチューション(裏コード)とは?
まずドミナントモーションの条件である
トライトーンの解決を満たしたセブンスコードである必要があります。
ドミナントモーションの条件とは
ジャズ基礎知識編第12回目の
ジャズで必須の「ドミナントモーション」とは?を参照してください。
要約しますと
②ドミナントセブンスコードのトライトーン「M3度とm7度」がトニックコードの「RとM3度」へ解決すること
裏コードは②の条件を満たしていますが
ベースの音は半音進行になっていますので①の条件は満たしていません。
ですので、トライトーンを持つ代理コードということから
トライトーンサブスティチューションという名前が付いています。
ただし、半音進行は完全5度下行と同じくらい強い解決感をもたらすと言われています。
つまり裏コードの条件は
少し論理的で分かりずらい部分があったと思いますので具体例を示します。
例えばG7コードというドミナントセブンスⅤ7を例に考えてみます。
G7コードのトライトーン「M3度とm7度」は「BとF」になります。
このトライトーンがトニックコードであるCM7コードの「ルート(C)とM3度(E)」に解決します。
そして同時にベース音が「G→C」に完全5度下行します。
まずこれがドミナントモーションの例になります。
そして次にG7コードのトライトーンである「BとF」を含んだコードで
トニックコード対して半音下に解決するルートモーションを導きだしてみます。
まず、トニックコードにルートで半音下に動くということは
逆算するとトニックコードCM7コードの半音上である
D♭の音がルートのセブンスコードということがすぐにわかります。
つまりトニックコードの半音上のセブンスコードD♭7と簡単に導きだすことができます。
では一応確認ということでこのD♭7コードの構成音を書き出して
G7コードのトライトーンである「BとF」を含んでいるコードであるか検証してみましょう。
D♭7=「R(D♭)、M3度(F)、5度(A♭)、m7度(B)」となります。
G7コードのトライトーンである「BとF」を含んでいますよね。
また下記のような関係にもなります。
G7「M3度(B)、m7度(F)」=D♭7「m7度(B)、M3度(F)」
トライトーンの「M3度とm7度」が逆になっています。
さらに、面白いことにルート音であるG音とD♭音もトライトーンの関係にあります。
ですので、G7コードから増4度または減5度の
D♭をルートとしたセブンスコードが裏コードと解釈することもできます。
裏コードの導き方まとめ
・トニックコードから導きだす場合は半音上のセブンスコード
・ドミナントコードから導きだす場合は増4度または減5度のセブンスコード
裏コードと呼ばれる名前の由来は
ドミナントセブンスコードであるⅤ7コードに対して
サイクルオブ5thの対角線上に裏コードである♭Ⅱ7があるため
裏にあるドミナントセブンスコードとして名付けられました。
トライトーンは12音階をちょうど真ん中で2つに分割する音程になりますので
12音を円にしたサイクルオブ5thの対角線上に裏コードがくるのは偶然ではありません。
裏コードは関連するマイナーセブンスコードである
リレイテッドⅡm7を付け加えることができます。
つまり、セカンダリードミナントのときと同様に
裏コードの前にマイナーセブンスコードを配置することができます。
例えば、
「Dm7→G7→CM7」というコード進行をリハーモナイズするとき
まず、裏コードで
「Dm7→D♭7→CM7」とリハーモナイズします。
これはこれで素晴らしいリハモですがリレイテッドⅡm7を付け加えると
「A♭m7→D♭7→CM7」というリハーモナイズをすることができます。
さらに裏コードであるD♭7コードをもとのG7コードに戻して
「A♭m7→G7→CM7」というリハーモナイズもすることができます。
是非、ツーファイブワンのコード進行を裏コードでリハーモナイズするときのパターンとして
今回紹介した3パターンを覚えてください。