導入フレーズをストックしよう
ジャズフレーズ集第3回目のレッスンは
導入フレーズについて
最初のコードから弾きまくるソロも悪くはないですが
プロのジャズミュージシャンは余裕を持った演奏をするために
導入フレーズを使用して緩急をつけてソロを弾いたりもします。
導入フレーズの特徴は
短いフレーズで完結するのが特徴的です。
つまり、こんにちはみたいな挨拶のような感じのフレーズです。
人と会話するときに挨拶が最初にあるのとないのとでは印象が変わりますよね!
自分の言いたいことをいきなり長文で話されるより
挨拶があって徐々に自分の言いたいことを話す方が話しを聞きやすいと思います。
ジャズも同じでアドリブは会話です。
いきなりたくさんの音で詰め込むフレーズより、短いフレーズを最初に弾いてあげるだけで
アドリブソロを聴きやすくすることができますし、余裕のある演奏ができるようになります。
もちろん必ず導入フレーズを入れなければならないということではありませんが、
緩急のあるアドリブソロを弾くときに使えるテクニックになりますので
参考にしてみてください。
メジャーとマイナーの導入フレーズ2個ずつ紹介します。
さらに実際のジャズスタンダードのコード進行4曲で
導入フレーズの使い方の例を示します。
■メジャートニック_導入フレーズ1
フレーズ構成音【9,R,5】
たった3音しか音を使用していませんが
導入フレーズとしてはこれだけでも十分立派なフレーズになります。
■メジャートニック_導入フレーズ2
フレーズ構成音【M3,5,M7,9,R】
メジャーナインスコードの構成音を使用しています。
■セントトーマス風コード進行_導入フレーズ使い方例1
セントトーマス風コード進行の1小節目に
メジャートニック_導入フレーズ1を当てはめています。
ジャズ初心者さんがこのコード進行でアドリブを弾く場合に
どうしても1小節目と2小節目を繋げて弾きたくなると思いますが
あえて繋げないで最初の1小節目を導入フレーズで完結させて
2小節目からアドリブフレーズを組み立てていくとプロっぽいアドリブを弾くことができます。
■セントトーマス風コード進行_導入フレーズ使い方例2
セントトーマス風コード進行の1小節目に
メジャートニック_導入フレーズ2を当てはめています。
■酒とバラの日々風コード進行_導入フレーズ使い方例1
酒とバラの日々風コード進行の1小節目に
メジャートニック_導入フレーズ1を当てはめていますがFメジャーキーに移調しています。
■酒とバラの日々風コード進行_ピックアップフレーズ使い方例2
酒とバラの日々風コード進行の1小節目に
メジャートニック_導入フレーズ2を当てはめていますがFメジャーキーに移調しています。
■マイナートニック_導入フレーズ1
フレーズ構成音【9,R,5】
メジャートニック_導入フレーズ1と同じフレーズです。
このフレーズは3度の音を使用していないためメジャーとマイナーの両方で使える
導入フレーズになります。
■マイナートニック_導入フレーズ2
フレーズ構成音【9,R,5,m3,2,R】
マイナートニック_導入フレーズ1の次にm3度→2度→Rを追加しています。
■フライミートゥザムーン風コード進行_導入フレーズ使い方例1
フライミートゥザムーン風コード進行の1小節目に
マイナートニック_導入フレーズ1を当てはめています。
■フライミートゥザムーン風コード進行_導入フレーズ使い方例2
フライミートゥザムーン風コード進行の1小節目に
マイナートニック_導入フレーズ2を当てはめています。
■朝日のようにさわやかに風コード進行_導入フレーズ使い方例1
朝日のようにさわやかに風コード進行の1小節目に
マイナートニック_導入フレーズ1を当てはめていますがCマイナーキーに移調しています。
■朝日のようにさわやかに風コード進行_導入フレーズ使い方例2
朝日のようにさわやかに風コード進行の1小節目に
マイナートニック_導入フレーズ2を当てはめていますがCマイナーキーに移調しています。
今回の例のように導入フレーズは導入フレーズとして
別でストックしておくことによりジャズのスタンダードでアドリブをとるときに
威力を発揮しますので、少しずつ導入フレーズをストックしていきましょう。